勉強ハイになっちゃった生徒さんの話 by萩市の学習塾コジ塾

ハイの状態の画像 コジ塾生(生徒さん)の話

講師が家庭教師(個人レッスン)をしていた頃のお話。

教室から車を走らせて45分くらいの所に住んでいる生徒さんから、家庭教師の依頼があって引き受けることになりました。

たしか、最初は週1で2時間。生徒さんの成績は60点前後の平均くらい。とてもまじめな男の子で、2人で一生懸命勉強しました。

当初から、お母様は「商業系の公立高校に入ってほしい」とおっしゃっていました。

その子が中3の冬休みに入った頃、受験の追い込みをかけようとほぼ毎日電車で生徒さんの方から教室に通うので勉強をみてほしいということになりました。

冬休みといったら、クリスマスや年末年始も含んだお休みですが、受験生らしくかなりがんばって勉強していました。

寒い中、手袋やマフラーをして鼻を赤くしてやってくる生徒さん。講師は灯油ヒーターをたいて、当時は教室で寝起きをしていたので折りたたんだ敷布団を部屋の奥へ追いやって、迎え入れました。

最初は(この子、お母さんの希望にそってやるのは偉いけど、無理してるんじゃないかな?ツラくないかな?)と心配していました。というのも、生徒さん本人から「絶対にこの高校に行きたい!」という言葉を聞いていないし、雰囲気も出ていなかったからです。

週1で家庭教師をしていた頃は、どこの高校に行きたいのか聞くと「わからないけど」と言いながら、何となくお母さんの口から出た高校の名前を言って、なぜ?と聞いても「クラスの子も行くって言ってるから…」と言っていました。

勉強の成果は継続は力なりで徐々に出ていましたが、理解度は本人曰く「まあまあ、以前よりはわかるようになってきた」とのこと。

そんな彼が毎日教室に通い、猛特訓が始まったのです。

色白の顔がなおさら青白く感じる気がするのは講師の気のせいか…少々苦しそうに見えました。

それがお正月を過ぎた頃から、変化が現れました。

英語は単語の暗記が大事だと身をもって理解したかのような真剣な暗記ぶり。

難しい問題の解説を聞いて納得した時や自分で解けた時にちょっと嬉しそう。

性格が変わったというのではくて、お母さんや講師という他人から言われてやる受動的な様子から、まじめさゆえに必死に進んでいたら勉強自体にやりがいを感じてしまったという変化なのだと思います。

ランナーズハイってありますよね、まさにこれは勉強ハイです。

やる気の画像

その証拠に生徒さんはこんなことを言い出しました。

進学高校を目指したい

進学高校は大学受験に向けて学問を主体とする高校です。なので、地域の中でも偏差値が高く、難易度も高いとされています。最初は全く話に出てこなかった高校名…。この変化、すごい!

結局、彼の突如として煮えたぎった熱意による第一志望高校は、入試直前の心境変化であることや将来大学を目指すのか職に就く道を選ぶのかというご家庭での話し合いの末、叶わぬ夢となってしまいました。公立高校は1つしか受けることができませんので、残念でした。

ただし、受けることになった商業系の高校で1番を目指せばいいという目標に変更してがんばり続けました。

講師はわかっていました。これは、絶対に受かるので大丈夫。

案の定、合格されました。

数年後、お母様とSNSでつながることがあり、「もう20歳になりました」と見せてもらった写真の彼は立派な大人に成長されていました。

経験したことのない事に挑戦し、自分で殻を破って一つ上の段階に達した生徒さん。それを間近で見せてくれた彼に今も感謝しています。

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