中2の英語の教科書に
「AIが、人々の仕事を奪う」というのが出てきます。
翻訳家になりたい女の子が、
AIが翻訳できるから将来翻訳は必要なくなるのでは?
と心配する内容となっています。
実際に、
教科書の英文をGoogleの翻訳で訳してみたところ、
見事な日本文を出してくれました。
それを生徒さんに伝えたら、
「先生も、仕事なくなりますね!どうするんですか?」と言われました。
「本当にみんなが今以上に勉強できるようになるなら、別になくなってもいいですよ」と答えたら、「え?!副業しているんですか?」って話になったのですが…(笑)
よーく考えてください。
英語の講師は、みんなに英文を訳してあげるのが仕事ではありません。
みんなが英文を訳せるように“訳し方を教えてあげる”のが仕事なのです。
そう、『方法』を教えるのです。
その『方法』とは、『頭の使い方の訓練』だと講師は思っています。
だから、英語に限らず数学など、講師が教えることのできる範囲の『頭の使い方の訓練方法やその場所と機会の提供』を仕事にしているのであって、みんなに代わって英文を訳してあげる・計算の答えを出してあげるためにいるのではないのです。
なぜ、頭の使い方を訓練するのか?
これを本当に納得することができたら…勉強のモチベーションが爆上がりする話をしましょう。
この話がわかる人は、本当の意味で頭が良い。
しかも、大金持ちになれるかもしれないお話です。
Googleが訳せるから英語の勉強は不要。なのではなく、
自分が勉強してGoogleの翻訳の開発側に回ろう!と思えるかどうか。
簡単便利で多くの人の役に立つ物があった時、
それを使う大勢の人は“消費者”です。
大勢の人が使って、その分の料金を支払ったり、広告収入があったりします。
そして、そのお金を手にするのが少数の“開発者”です。
開発者になるには、物を作る・サービスを提供する側になるには、
当然、消費者よりも多くの知識を持っていなければなりません。
英語翻訳アプリだとすると、英語の知識はもちろんのこと、アプリ開発のプログラミングの知識も必要になります。
1人で全部作るとしても、何人かで協力してグループで作るとしても、
あなたがそのうちどれかの分野の勉強をしている必要がありますよね。
将来は「そんな便利な物があるなら、勉強しなくてもええわ」と言ってお金を出す消費者になるのか。それとも、そんな便利な物を作って多くの人からお金を受け取る開発者になるのか。
サービスを与える側になって、その対価としてたくさんお金をもらって、豊かに暮らしている人たちを見て、「ああ、もっと子供の頃に勉強しておけばよかった」と大人たちは言っているのです。
小学生の頃から将来どのプロとして活躍するのか決まっている人はいません。
もちろん自分で選ぶことはできますが、幼い頃に世の中にあるものの中から選ぶことになるかどうかもわからない時代です。
わからないからこそ、『頭の使い方の訓練』をしておいて、何がきてもいいように備える。そのために、勉強があるのです。
あと、もう1つ。
ちょっと意地悪なことを言っちゃいますが、
そうやってGoogleがどんなに見事に無料で英語の教科書を日本語に訳してくれても、
実際に使って予習・復習をしている生徒さん、いますか?
英文法もYouTubeなどでいろんな人が解説をしてくれていますが、観ていますか?
ほとんどの生徒さんは、好きな芸能人やYouTuberのチャンネルは観ても、勉強のチャンネルは塾で指示される自分のクラスの動画以外ほぼ観ることがない。というのが現実ではないでしょうか?
なので、仕事が全くなくなることって今のところないと思うのです…。
というわけで、講師の仕事がなくなる心配をする前に『頭の使い方の訓練』をいっぱいしてください!!