先日、『新しい中学英語の教科書内容がヤバかった・・・』というブログ記事を書いたんです。
久しぶりに書いた達成感で、“心理カウンセラー”の資格を持っているアシスタント講師のたまちゃんに「ねぇ、読んでよ!」と強引にススめました。
そのブログの中で、2021年度からの中学校の英語の教科書が難しくなっていて、私(コジ塾講師)が中1の生徒さんはかわいそうと憤慨している内容があるのですが、
たまちゃんが「べつに、かわいそうじゃなくない?」と言ってきたのです。
講師:え?小学校で楽しい会話感覚で出てきた英単語を『はい、書いて』って言われるんよ?急きょ覚えないといけなくなるのって、かわいそうじゃない?!
たまちゃん:小学校のときに出てくるんでしょ?出てきたものを覚えてるかどうかはその子次第だし、みんながかわいそうってわけではなくない?
いや、こっちはそれを教えるんですよ!テストするから来週までに覚えてきてって言っても、何もせずにやってくる生徒さんもいる中で、学校のテストでいっぱい英単語出されても書けなくて、テストの点数悪かったらどうすんのさ!
と思っていると、めっちゃおだやかな笑顔で、たまちゃんが聞いてくるんです。
たまちゃん:でも、できる子もいるんだよね?
たまちゃんのいう「できる子」というのは、もともと能力が高くて短期間でも暗記ができる子。または、家で講師に言われた通りに努力してきちんと覚えるまで練習してくる子。のことですね。
そういう子はコジ塾にいるのか?
はい、います。
講師:うん・・・まあね・・・
考えてみると、テストに出るとわかっていて、それを教えてもらっているのに、やらない・できないのはその子の問題ですよね。「べつに、できなくてもいい。努力したくない」という気持ちに原因があろうと、やろうと思ってもどうしても覚えられないという能力に原因があろうと、やはりその責任はだれかが取ってあげるものではない。
アドラーの心理学の『課題の分離』を知っているのに、
いつのまにか、生徒さんの成績や成果を自分の責任と気にしてしまっていることに気がつきました。
教科書内容の変更に怒り騒ぎ立てる塾講師と、穏やかにほほえむたまちゃん。
これが、心理カウンセラーと塾講師の違いですね。
コジ塾講師は勉強を教えるので、テストの点数が良くて、志望校に合格して、勉強ができるのが良いに決まっていると思いがち。そして、『課題の分離』をすっかり忘れる。英単語忘れる生徒さんのこと言えないよな・・・。
でも、心理カウンセラーはそこに関わる人がストレスなく、穏やかに過ごせるのが一番で、そのためにどんな考え方をすればよいかについて、いつも考えている。だから、できる子もいるし、できない子もいる。中学校の教科書が変わろうが、講師はただ教えることに専念すればよい。そう言いたかったのかなと。
コジ塾講師も、本来はそう思っていたはずなんです。たしかに勉強や知識は人生を豊かにし、身を助けるものだと実感している(『≪講師の実体験≫ 勉強したら、時給が〇倍アップ!』の記事に書いたとおり)けど、それを他人に強制するつもりはない。それだけが人生ではない。だから、コジ塾では強引な勧誘や退塾の引き止めもしない方針なんです。
でも、たまに「成績が良くなくて、点数が良くなくて、どうしたらいいんでしょう?」と生徒さんから連絡がきて、そんなに悩んでいるのだから必死にやっているのかなと思ったら、「ゲームばかりで、YouTubeばかりで、友達とのLINEばかりで、家でも勉強していません」と言われたり、まずは授業態度を改めるようにアドバイスしても全然改善が見られなかったりすると、なぜかこちらが不安を感じてしまって、教科書の内容にまで腹を立てるわ・・・真実を指摘したたまちゃんの言葉にまで腹を立てるわ・・・
そんなときは『2020年1学期期末テスト結果~高得点者&途中入塾者のアップ点数』で紹介したような、努力した生徒さんたちの結果をすっかり心が追いやってしまっているのです。
まぁ、つまりは講師が気にしようが気にしまいが、きちんと勉強を教える自分の仕事をしていれば、やる子はやって結果を出すし、やらない子はどんなに心配してもやらないんで、結局は講師の心の独り相撲なわけですが、
ここでもっと深く心の中をほり下げてみると、
(恥ずかしいですが、)
本当は責任を感じているのではなくて、責任はないとわかっているのに、
あなたの責任だと、生徒さんや保護者の方に言われたくない・・・
満足のいく結果が出ないと、あの塾良くないよと言われるのではないか・・・
そんな不安や恐怖にさいなまれているのです。
で、実際にそんなことを生徒さんや保護者の方から言われているのかといえば、言われていない。
満足のいく結果って、だれにとっての?
なんなんでしょう?この妄想。このストレス。この思考。
でも、これと同じように感じて悩んでいる保護者の方も多いのでは?と思ったりします。
勉強するのは、子どもさん本人なのに、
勉強に本気になっていない様子が気になってしょうがない。
不安になって、勉強するように言うと反抗的な態度がかえってくるだけ。
伝え方がダメなのだろうか?育て方がダメなのだろうか?
そうやって自分を責めている親御さんも多いのではないでしょうか。
もしかしたら、その怒りが他人に向いている方もいらっしゃるかもしれません。
学校の先生が、塾の先生が、周りのママ友が・・・なんて、それも苦しいですよね。
塾講師は、月謝をいただいて、「こんな文法あります。こんな公式あります。これを覚えておくと、テストに出てくることが多いです」と勉強内容を直接を教えて、直接学力が上がっていくチャンスを差し上げています。でも、逆に言えば、それしかできません。生徒さんの趣味嗜好を変えたり、勉強に好都合な価値観を植えつけたりはできないんです。
「塾に行って、勉強の楽しさを知りました」「わかり始めたら、英語が好きになりました」生徒さんから言われたことはありますが、狙ってできることではなく、偶然の化学反応というか・・・つまり、それもただのラッキーでしかないんです。
今回のコジ塾講師のように、自分以外のことで、関わっている他人(それがどんなに近い人でも)の問題で悩みだした時は、1度立ち止まって考えてみてもいいかもしれません。
それは、自分がコントロールできることか?
そのやるべきと思っていることは、実は自分の仕事を超えていないか?
それを成し遂げたとして、それって相手を都合よくコントロールしていることになるだけではないか?
ほんと、これに気づいただけでも、落ち着きを取り戻せます。
でも、難しいんですよね。私も、心理カウンセラーの本を読んだり、たまちゃんと話したりして、わかっているのに、真逆をやってしまう。
そんな時でも、おだやかにほほえむたまちゃん。
あんた、一体何者なの?(笑)
コジ塾講師もたまちゃんを見習って、生徒さんや保護者の方に本当の意味で寄り添えるように、考え方や感性をもっともっと磨いていけたらいいなと思います。
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