「あまり自分から聞いたりする子ではないので…」
わからない時に質問できないと、それが放置されて教えてもらえないかもしれない。
逆に「ウチの子は人見知りしないから、そこは大丈夫」
本当にそうでしょうか?
講師も子ども時代は人前では静かなタイプでした。
でも、先生に質問をしなかったかといえば、それは違います。
塾で、みんなの前で冗談を言って笑わせるような明るい子が積極的に質問できて、静かな子は質問に来ないかといえば、それも違います。むしろ、逆です。
先生に質問できる子とできない子では何が違うのか?
『質問をするのは恥ずかしいことではない。わからない所を聞かなければ、後で自分が困る』とわかっているかどうか。
それだけです。
誰とでも気軽に話せる明るい子が、授業中に友だちに聞くことはあっても、講師には聞いてこないので、私語に発展して、迷惑になることは多々あります。
その場で誰に聞くことが適切であるかがわかっておらず、安易な方法に逃げてしまう。
自己主張できる子が、×のついた解答を返却されて「え?丸つけのミスではないですか?」とは直接聞けるのに、わからない時には机の上で「え~と、なんだろー?わからないな~?」と聞こえるように主張するだけで、質問には来ないこともあります。
自分を評価する立場である講師に本当にわからない所を自分から質問することで「できない子」と判断されるのを恐れる心理があるのかもしれません。
つまり、性格に関係なく、質問の意味をきちんと理解しているのかどうかが大切なのです。
ですから、「質問できないタイプだから…(先生が気づいて教えてもらったら助かります)」と教える側にほのめかすよりも、子どもさんに『自ら質問をすることの大切さ』を説明し続けてあげた方が有益なのではないかと講師は思います。
「ねえ、先生に質問してみたら?」
「自分が納得するまで、きちんと最後まで聞いた?」
「あとで、自分で説明できるくらい聞いてきてごらん」
これだけでいいんです。
ご家庭で子どもさんがわからないと主張してきた時、学校の先生や塾講師に親御さん自らコンタクトをとって、わからないと言うので教えてやってくださいとお願いするのも手ですが、それでは子どもさんの質問の機会を奪ってしまいます。
コジ塾講師は、親御さんが子どもさんに勉強内容を教えてあげる必要はないと考えています。勉強内容は学校の先生や塾講師に解き方を教えてもらえばいいのです。彼らはプロですから。けれど、教えてもらう時の心がまえ一つでそれを自分のものにできるかどうかが変わってくることを知っています。なぜか?みんなに平等に教えているのに、習う生徒さんの受けとり方で、結果が変わるのを見てきたからです。
そして、その心がまえを作るのに一番影響を与えているのがご家庭での接し方であると感じています。
ちなみに、この心がまえの形成には長い時間がかかると思います。
「日頃から言っているんだけど、まだ聞けないみたいで…」とご心配の方へ朗報があります。
正直に言いましょう!
たとえ生徒さんから質問をしようが、しまいが、
教える側はどのくらい理解できているのかは把握できています。
解答の正誤や問題を解くスピード、講師からの質問に対する答え方などから判断がつきます。
でも、習ったことすべてを完ぺきに覚えていることが難しいのはみんな同じですよね。
そして、毎週毎週同じことを完ぺきになるまでくり返すよりも、次へ進む方がテストの点数を取るには優先であったり、その分野全体を勉強してから復習すると簡単に感じたり…。
生徒さんの能力と学校で必要とされる進度がズレてしまうこともあるでしょう。
だから、授業を受けているなら、質問をしないことが全ての原因だった…ということはありませんので、大丈夫です。
ただし、質問の意味をきちんと理解している子が強いのです。
頭のいい子は、たいてい授業外に「これってどういう意味ですか?」「自分で解いている問題の解答を見てもわからなくて…」と質問に来ます。その日の授業内容の疑問点を自分で解消するため、納得のいく説明を聞いて次に同じ問題が出ても自分で解けるために、聞いてくるのです。
授業が終わったことに安堵して「疲れた~」と言って帰っていき、解答があるなら写しておけばOKじゃんと、そのまま提出する子たちがいる中で…。
こういった自主的な行為が、自分はただ塾に来るだけで、親から講師へ連絡が入っており、講師から「連絡があったけど、そこやろうか?」と声かけをされる子と、将来どれだけの差がつくかは想像していただけるとわかると思います。
「わかるまで、聞いておいで」
これをくり返し、お子さんの耳に入れて、どっしり構えておきましょう。